レンガは重く、基礎から積み上げる必要があり、
職人さんの手を必要とし、
近代的で調整可能な建築物を建てることは
難しいところです。
現状、外壁用のレンガを作る国内工場も少なくなってきています。
ですから、実はレンガ職人も絶滅の危機に瀕しています。
しかし、レンガを使った住宅は、建築も空調などの省エネ化をめざすべく、
今後も推進されていくと推測されます。
レンガの住宅が増えていくことは、何を意味するのかというと、そのまま建物の長寿命化に
繋がっていくということなのです。
ところで、現在の建築の難しさのひとつに、建物の寿命があることが指摘されているのは
ご存じかもしれません。
特に、日本の建築物は比較的はかない命だと言われています。
総務省の住宅統計調査によると、日本の建築物の寿命はわずか30年で、
アメリカは103年、イギリスは141年と、かなりの開きがあります。
昨年まで早稲田大学理工学部だった小松幸雄教授は、
このような日本と欧米の考え方の違いをこのように説明しています。
日本では、建物の価格はやがて減価していく。
一方、欧米では、建物はそのコストを維持することが期待されている、と。
日本の建築は寿命が短いため、
次々と建て替えられることが前提となっています。
そして、欠陥住宅を引き起こす原因の一つは、建物は安くてもいいという風潮が
あるからともいえます。
建てるだけでなく、建物を維持し、活用できる、
長く皆に使い続けてもらえる建物を造っていくこと。
レンガの家で造った建物は、世代をまたいで使い続けることのできる、
そんな建築物です。