日本に住んでいると当たり前のように思いがちですが、
1世代ごとに住宅ローンに追われます。
ローンを組んでは建物を建て替えたり、または新築したりする
工程があるわけです。
既存の建物が壊されることは何を意味するのでしょう?
環境に負荷をあたえているのは、明らかですね。
建築の寿命を決めるのは、
物理的な要因と、社会的な要因とがあります。
社会的な要因には、経済的なものと、機能的なものがあるとされています。
物理的な要因は、建築構造躯体の劣化、付属物の劣化、
耐震性などが挙げられます。
新耐震基準が導入された1981年以前の建物には、
建築物に対する耐震診断が義務化されています。
耐震診断の基準に満たない建物は、
建築基準法を満たすべく
改修や建て替えなどを行うことが理想です。
地球環境の観点で考えると、建築物が長寿命である事は
一般的には地球温暖化ガス(CO2)の削減に繋がると言えるでしょう。
建物の寿命を50年程度と考え、建物のライフサイクルでみると、
建築時に発生するCO2の量は、解体されるまでに発生するCO2の量の
約1/5~1/3にも及ぶと言われています。
こうしてみると、建築時におけるCO2の発生量の多さに驚きます。
東日本大震災以降、省エネルギーに対する意識が高まり、
環境への理解もまた進んできています。
世界的な動きでみると、
「国連気候変動枠組み条約第18回締約国会議(COP18)」において、
2020年迄の排出について、地球の気温上昇を抑えるため、
実際に必要な温室効果ガスの削減量と
参加各国の削減目標値の差が開きつつある現状から
その差を埋める改善策を視野に入れるべきということもわかりました。
長寿命の建築は、その削減のための解決策の一つです。
いま、省資源なストック型社会への移行が求められていて、
建築物の長寿命化に対して高い関心が寄せられています。
また、2008年には「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が公布されました。
この事により、国をはじめとする関係各機関でも、建築物の長寿命化の実現・普及に向け、
施策や基準づくりを進めています。
「つくっては壊す」社会から「いいものをつくって、きちんと手入れして、長く大切に使う」社会への移行。
これは、建築物の長寿命化の目指す目標のひとつです。
いいものをつくり、きちんと手入れすることが
建築物の長寿命化を可能にすると考えられます。
「いいものをつくる」とは、強度や耐震性などの構造性能や
利用目的の変化などに対応すべく、
改修可能性や設備更新、維持管理が簡単にできるよう
建築することをいいます。
「きちんと手入れする」とは、構造部位や設備等の劣化診断を適切に行い、
必要に応じて修繕などを行って、建築物の性能をできるだけ長持ちさせることといえます。
これらを踏まえながら考えると、環境に良い家とは、
自然の力を取り入れながら、二酸化炭素を極力出さずに暮らせるような家といえます。
人間は石炭や石油などを燃やし
エネルギーを作り出して生活を豊かにしてきました。
そして、地球上に二酸化炭素が増えて地球温暖化が起こってしまっています。
私たちが目指すべきはサステナブルな住宅です。
近年はSDGsでも注目を浴び、サステナブルな住宅といっても
名前が知られるようになってきました。
サステナブルな住宅とは、長く住み続けることで次世代の子どもたちにも受け継ぎ、
人にも地球にもやさしい家づくりをすることです。
ところで、日本は新築文化なので、住み始めたらあとは価値が下がるという
資産価値に対する背景があります。
そうやって、短いサイクルの住宅建築の様式が
できあがってきたのですが、そうすると施工に使う建材の消費・重機によるガス排出、
解体時の廃棄物など環境にもさまざまな影響を与えます。
サステナブルな家作りは、長年住み続けられる頑丈な構造や機能性がポイントです。
地球温暖化を防いで環境を守るために、生活する上で二酸化炭素を出さないように
考えられた家を建てたいものです。
例えば太陽光発電を使ったり、家の外壁に使用する素材にもこだわることで、
より環境に良い家を実現することができます。
レンガは粘土や頁岩、泥などの自然素材を原料とし、
自然素材で作られた環境に優しい外壁材です。
砕くと土に還すことができ、また有害物質を発生させません。
また、レンガの家は長寿命の家なので、エネルギーの削減になりますよね。
今は、断熱材を入れることで断熱性を高める家も多いですが、
レンガの家ではそもそもレンガ自体の断熱性が高いので
夏は涼しく冬は暖かく暮らせます。
それは、冷房や暖房を必要以上に使わない暮らしに繋がります。
その結果、光熱費を抑えられるだけではなく、エネルギーを無駄遣いしないため
省エネ効果も高くなります。
断熱性の高い家は他にも利点があり、
熱中症やヒートショックの予防にもつながります。
また自然素材を使って家づくりを行うことで、アレルギーなどの健康被害を避けることもできます。
メンテナンスが少なく耐久性の高い素材を使えば、
リフォームやメンテナンスによる古い資材の廃棄も減らすことにも繋がり、
費用をかけずに長く住むことができます。
サステナブルな住宅、目指しませんか?