自動車や工業製品に限らず、
住宅設計にも時代が反映されつつありますね。
時代を見据えた、大きな意識改革が必要になってきているところです。
地球環境に対する配慮も、
いま地球全体にとっての大きな社会的課題になっていますね。
住宅に関する問題では、
心身の健康も注目されています。
シックハウス症候群のなかった頃には、
昔の家は土と木、そして草や紙などで構成され、
環境のバランスもとれていました。
今は昔と違って建築に使われる材料にも
多様性を認めることができます。
そういった中、地球環境と住環境も変化が訪れています。
今回は、高気密高断熱について
掘り下げてみようと思います。
高温多湿の温暖地では、夏が思ったほど涼しくない、
という声が上がっています。
これは、熱の吸収が起こっているために起きる現象です。
そのしくみはどうなっているのかというと、
昼間、太陽の輻射熱により、屋根や外壁が熱せられる
↓
その熱が断熱材にこもって、家全体が蓄熱してしまう。
↓
断熱材に蓄熱された熱が家の中に放出される。
このような流れになります。
これを防ぐためには、
外からの熱を遮断するという「遮熱」の概念が必要です。
遮熱といってもなかなかイメージが湧きづらいかもしれません。
夏によく見かける、すだれやグリーンカーテンなども、
遮熱の手段としてよく用いられているものです。
ここで注目いただきたいのが、レンガの遮熱性です。
レンガ積み外壁の、断熱性能をはかる実験では
1000度近い熱の9割をシャットアウト。
では、レンガ内部に蓄えられた熱はどうなるのか?
家の本体とレンガ外壁との間に設けられた空気層(空気の通り道)に移動し、
徐々に外気に放出されていきます。
レンガで遮断され蓄えられた熱は、屋内に入ることはなく、
昼も夜も快適な空間を守ってくれます。
夏・冬でも快適な室内環境。
例えるなら、まるで土蔵の中にいるような、
さらりとした空気を感じることができます。
レンガは断熱性も高いため、冷暖房の効果を高めることができるのも特徴です。
また、煉瓦は粘土を高温で焼き上げているため
熱を通しにくいという特性があります。
ですから、冬は暖かく夏は涼しい1年中快適な温熱環境を維持できるのです。
この、レンガの家のような高気密・高断熱住宅のメリットとしては
ほかにも、ヒートショックの予防につながることが挙げられます。
さらに家全体の温度差が少なくなるので、
ホテルのような快適空間を実現させることができます。
冬場に廊下や洗面所、トイレなどが寒いと感じることも少なくなるでしょう。
皆さんも、高気密高断熱住宅の良さを
体験してみたくなりませんか?