
日本のレンガの家というと、
外壁にレンガタイルを張ったものがほとんどです。
レンガ張りというと、
コンクリートでできたタイルでつくるものと、窯業系レンガタイルなどがあります。
窯業系レンガタイルには、吸水性はありません。
ですが、建物が温度や湿度の変化によって、膨張や収縮を繰り返す場合、
レンガタイルが脱落するおそれあります。
コンクリでできた薄いブリックタイルは吸水性があり、
雨にさらされると亀裂が入る恐れがあります。
そして建物の変化で脱落することもあります。
建物の変化というと、
外的要因の地震であったり、地盤沈下などがあります。
では、レンガ張りはどのようにされているのでしょうか?
レンガタイルの場合、宙に浮いた状態で接着剤で張られます。
ですから、建物の構造体に重量負荷がかかってきます。
長く持ちそうなレンガタイルですが、
他のサイディング同様、定期的なメンテナンスが必要となることは
一目瞭然です。
一方、積みレンガは基礎の上に積み上げられます。
ですから、建物の構造には全く触れないまま。
重量負荷がかからないというわけです。
それでは、窯業系レンガタイルや、ブリックタイルが外壁に与える負荷は
実際のところどうなのでしょうか。
40坪程度の家の外壁に対しては、
ブリックタイルでは約7トンの負担がかかります。
窯業系レンガタイルは3トンほどです。
これに対し、
積みレンガは25トンの重さがかかりますが
外壁には負荷は当然かかりません。
高温で長時間焼かれた積みレンガ。
吸水性が非常に小さく、水分を含まないばかりか、
温度変化による伸縮にも強いため、割れが入ることも滅多にありません。
以前、東京都でビルの外壁のタイルがはがれて落下したニュースが
流れたのはご存じでしょうか。
9階建てビルの7階あたりで外壁のタイルが縦75cm、横20cmにわたって剥がれ、
約20m下の歩道に落下しました。
幸いけが人などは出なかったようですが、レンガタイル張りの外壁の剥がれ・脱落が実際に起こりました。
落下の原因は、タイルの目地であるモルタルに小さな割れが入り、そこから雨が侵入。
そして、防水性がないコンクリートやモルタルを劣化させたのだと考えられます。
当然、コンクリートの中に入っている鉄筋も水分でさびてしまい、
そうした腐食で膨らんだ部分がタイル部分を外に押し出したのでしょう。
今後このような危険を回避するためには、
人造のレンガタイルを外壁に張るのでなく、
本物のレンガ積み外壁にすることが望ましいのは明らかですね。
劣化したタイル張りの外壁は、
大きな地震や台風で剥がれてしまうリスクが低くはないでしょう。
時間がたつほどに価値が大きくなっていくレンガ造りの家。
あなたならどちらを選択しますか?