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sDGsから建築を考える

いま、長く暮らし続けられる社会を目指し、
設計を続けている建築家もいます。

 

現代建築の課題の一つは、建築の寿命にあると言われています。

特に日本の建物は短命だと言われています。

 

日本の建物のサイクル年数は30年、アメリカは103年、
イギリスは141年とその寿命に大きな差があります(総務省の住宅統計調査など参照)。

 

なぜこういった差が生まれるのでしょうか?

 

その理由の一つ。

それは、建物に対するマインドが
私たち日本人と欧米人では違うからなんです。

 

日本の建物は年数がたつごとに価値が下落していきます。

そして、価値が下がった結果、次々と建て替えられていくというサイクルにあるのです。

 

1995年の阪神・淡路大震災では多くのビルや建物が倒壊しました。

倒壊した建物の中には欠陥住宅が多く存在しました。

 

そういった中、欠陥住宅を引き起こす原因の一つは、
安くてもいいという風潮だと主張する人もいました。

 

現在では、国内の新築住宅のほとんどの建物に、新建材と呼ばれている、
新しい素材や技術を用いて作り出された建築材料が使われています。

 

新建材とは、主に石油を原料とした化学建材のことを指します。

 

代表的なものには、合板フロアーや建具などの樹脂シート貼り建材、
ビニールクロスなどが挙げられます。

 

新建材は無垢材のような収縮や変形がほとんどなく、
加工が楽で施工時間が短縮できることなどのメリットがあります。

 

ですが、当然デメリットもあります。

シックハウスの基になるVOC(揮発性有機化合物)を発散したり、
無垢材と比べて質感に乏しいことや、
他にもキズや汚れが目立ちやすいことが挙げられます。

 

自然素材は、そういった新建材とは対照的なものです。

無垢材(天然の1本の木から切り出して作られた木材)や、
珪藻土、漆喰などの塗り壁材、
これらの名前は一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

 

こういった無垢材の中には杉やヒノキなどの材があり、
強さや味わいなどが違います。

 

自然素材ならではの強みを知ると
新建材に囲まれた自分たちの住む家について
疑問を持たれる方がいるかもしれません。

 

自然素材の強みというと、質感・風合い・香りです。

例えば、室内の壁と言えば壁紙での仕上げが一般的です。

一方、海外の映画やドラマでは、
レンガを基調にした壁のある家がよく見られます。

 

壁をリフォームする際に、
そのデザインの良さから壁材にレンガを選ばれる方もおられます。

レンガは熱に強いので火事にも強く、さらに調湿効果もあるのです。

調湿効果は、日本の気候風土においてはとても大事なポイントです。

調湿効果があることで、湿度の高い日本の夏でも心地よく過ごすことができます。

 

また、マンションの場合だと、
その施工の多くはコンクリートの上にタイルを貼る方法です。

タイルは、実はコンクリートの上に接着剤で張ってるようなものです。

ですから、地震などでタイルが落下する危険性もあるわけです。

 

しかし、レンガの家は震度6以上の揺れにも耐えられるような実験を行った上で、
その丈夫さは証明されています。

 

レンガは重く、下から順に積み上げないといけないため、
制約が多く、現代的な自由度が高い設計の建築はできません。

 

今では、外壁に使える良質なレンガを造る国内工場も少なくなり、
レンガ積みの職人も絶滅の危機にさらされています。

 

しかし、建築も空調などの省エネルギー化を目指すことができるはずです。

そしてその工夫は、そのまま建築の長寿命化につながっていくはずです。

造るだけでなく建物の保存、活用に目を向けることで
sDGsの実現にもつながりますね。