家を建てるなら、百年もつような健康住宅、
そんな家を建てることが望ましいでしょう。
家としての基本的な機能をもっていることを指しますが、
そこにはもちろん、デザインが関わっています。
機能を生かすデザインがあり、
その延長線上に遊びや楽しみが出てくるわけです。
しかし、家を建てようというときには
人は少々興奮気味になってしまいがちです。
素敵な家を建てたい!という思いが強いがために、どんどん
自分の中のあこがれをひっぱりだしてきては、
自分たちの夢の家に詰め込もうとしてしまいます。
一生に一度しかない、大きな買い物だから失敗は許されないと、
ありったけの情報をかき集めて、物件購入に向き合おうとします。
あれもこれも良い、こういう雰囲気もいいけれど、
こんな冒険もしてみたい、というように目移りしていては
肝心要のものが、見えなくなっていってしまうわけですね。
家を建てるからには、絶対に納得いくものを建てなければいけない、
根底に恐怖心があるから目移りするのかもしれません。
少しだけ、ここで冷静になって客観的に考えてみることが
大事です。
要望すべてをそのまま再現していくと、
豪華ではあるけどどこか統一性に欠ける、そんなデザインの家になってしまうことが、
暮らしていくうちにわかっていきます。
デザインは機能と一体のもの。
また、デザインはよく言われるように、足し算ではなく
引き算です。
基本はシンプルなもの、そこからどれだけ引くことができるのか。
その時に基準となるものが、芯となるものです。
そこを何度も吟味して、それがぶれないように単純化する。
機能をシンプルに生かしたデザインこそが、
長年住んでいても飽きのこない、
心から愛すべき住まいの条件になるのでは?
と考えます。